"多和田葉子＆高瀬アキ公演「白拍子VS変拍子」　言葉と音楽　reading×piano
2014年１１月１０日（月）１８時３０分開演、新潟大学総合教育研究棟Ｅ２６０教室
【内容】　
１　祇園精舎のきれぎれの、
２　白拍子のカップチーノ、
３　三島さんと川端さん、
４　彼岸に渡る日　全十章、
５　きのこの展覧会、
６　ドレミ、
７　ピアノソロ、
８　朗読「成田空港」
［出演］
reading:多和田葉子、piano:高瀬アキ
［感想］
２０１０年の「真っ赤なおひるね」、１２年の「変身」に続いての多和田＆高瀬の言葉と音楽のコラボレーション。
私は長岡での県高校ボランティア大会の生徒引率のため、公演の最後１５分のみを途中入場して聞いた。
多和田の朗読（きのこの展覧会、ドレミ、成田空港）は、福島原発事故後の放射能汚染、芸術表現に対する独裁政権の抑圧、
秘密保護法による言論統制などの日本の現状を、言葉の表現者としての文学者自らが鋭く描出したものである。
その鋭敏な感性で捉えた世界を、ユーモアを交えて素直に表現する。
「王様の耳はロバの耳」「王様は裸だ」と叫んだ子どものように、世間のしがらみの中で萎縮している大人たちに真実を告げている。
高瀬のピアノは、その不穏な雰囲気を醸し出しつつ、即興的で奔放な音の流れの横溢が、自由を希求する精神の表出として響いてきた。
終演後の懇親会では、ドイツで人気のある暗闇レストラン(Unsichtbar)のことなど、楽しく話をした。
戻る