エリック・ル・サージュ ピアノ・リサイタル 〜りゅーとぴあ Best Selection 2019 第2回
エリック・ル・サージュ ピアノ・リサイタル 〜りゅーとぴあ Best Selection 2019 第2回
2019年９月２６日（木）１９時開演、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
【曲目】
シューマン：子供の情景 Op.15、
フォーレ：夜想曲第6番 変ニ長調 Op.63、
ドビュッシー：子供の領分、
ドビュッシー：喜びの島、
シューマン：謝肉祭 Op.9、
（アンコール）シューマン：ダヴィット同盟舞曲集 Op.6 より 第14番、
シューマン：ロマンス Op.28
【出演】
エリック・ル・サージュ（ピアノ）
【感想】
７月のマチュー・デュフォーに続く２回目のベストコレクションに登場したのはエリック・ルサージュ。
2016年10月のレヴァンフランセの一員としての圧倒的な演奏から３年、今回はソロとしての魅力を味わった。
プログラムはシューマンとフランス近代曲。まず第一に感じたのは音の明快さである。
ペダルを多様してのモヤモヤしたヴェールで包んだような音作りはせず、一つ一つの音をクリアに打ち出し、その輪郭のはっきりした音粒で音楽を構築していく。
だからといってごつごつしているわけではなく、レガートは優美だ。
シューマンもドビュッシーも、甘美なロマンチックな香りというよりは、そのほとばしる激情を青い炎で燃やしている感じだ。
りゅーとぴあｈｐでは「柔らかなタッチ」「ファンタジー」が強調されているが、確かに柔らかなのであろうが、
私の印章としては硬質な宝石の輝きであり、幻想というよりは、もっと確かな現実を生きる生身の人間の営み、歩を感じる。
そこに尊厳がある。フランスの合理精神と行ってもよいだろう。
よい意味で予想を裏切られて、爽やかな秋の夜、しゃっきりとした気分でキンモクセイの匂う街に出た。
（以下、りゅーとぴあｈｐより）フォーレのほほえみ、ドビュッシーのきらめき、そしてシューマンのファンタジー。
やわらかなタッチで描き出す、圧倒的な音の世界。やわらかなタッチから、光をまとった音を生み出す天才肌のピアニスト、エリック・ル・サージュ。
指先から紡がれる物語はステージからあふれ出し、コンサートホール全体をファンタジーで包み込む。
天才が最も得意とする、フレンチ＆シューマンが並んだ名曲プログラムで、りゅーとぴあコンサートホールに登場！
南仏のエクサン・プロヴァンス生まれ。パリ国立高等音楽院を17歳で卒業。1989年ロベルト・シューマン国際コンクール第１位。
ソリストとして欧米の著名ホールに出演するほか、優れた室内楽奏者としても名高く、
1992年よりメイエ（クラリネット）、パユ（フルート）等と共にサロン・ド・プロヴァンス国際室内楽音楽祭を主宰。
これまでにシューマンのピアノ曲・室内楽作品全集（2010年ドイツ・レコード批評家賞受賞）を含む多数のCDをリリース。
パユやメイエ、ルルーといったメンバーと組んだアンサンブル「レ・ヴァン・フランセ」でも唯一無二、欠かせないメンバーとして世界各地で演奏、絶賛を博している。
りゅーとぴあBest Selectionとは？世界一級の音楽家を招き、新潟に居ながらにして、世界最高の演奏をお楽しみいただく、りゅーとぴあの新しいコンサートシリーズです。
2019年は、新潟市が東京オリンピック・パラリンピックのフランス・ホストタウンに選ばれたことを記念して、フランス出身の世界第一級のソリスト3名が登場します。