新潟メモリアルオーケストラ第28回定期演奏会
2018年９月２３日（日）１４時開演、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール
【曲目】
ブラームス：悲劇的序曲、
マーラー：交響曲第6番「悲劇的」
【出演】
指揮：工藤俊幸
【感想】
新大オケOBOGなどで組織されたメモリアルオケの定演。毎年この時期に無料で開かれる。
１０年ほど前には、ハイドン「四季」、マーラー「復活」の合唱で共演もした。
自分たちのやりたい曲を、財政も含め自分たちで担う。究極の自己満足も、ここまで来ると爽快で、見事であり、
結果して幸福を世に広げることにもなる。その道楽の果てに、今日の見事な演奏が結実した。
いきなりブラームスの濃厚な香りがホールに満ちる。
２０分の休憩の後がマーラーの大曲「悲劇的」。ブラームスの序曲と同じ標題音楽で揃えたのも、しゃれたプログラミングだ。
だが「悲劇的」と題されてはいても、音楽は実に壮大で、カウベルの音に導かれて牧歌的な雰囲気も漂い、明るく、希望的でさえある。
自然の力や、生死など、人間にはどうしようもない運命とも言うべきものがあり、それは時には苛酷な現実を人間に突き付けて来る。
人間は、その激烈な運命の怒涛の中で、翻弄されつつも、自らの生を営む。
そこに悲劇性はあるのだろうが、それを認めて、受け入れ、また立ち向かったときには、天の恵みともいえる安らぎが訪れることもあるだろう。
大宇宙、大自然と、そこに生きる人間の、めくりめく葛藤と和解を全身で体感させる音楽だった。
個々の奏者の情熱と技量は高く、アマチュアとは思えぬ音程の良さとアンサンブルのまとまりは素晴らしい。
快晴の秋のお彼岸の中日。晴れ晴れとした気分で帰路に就いた。

---

戻る